法律知識「新型コロナウイルス 」
2020年05月14日 新型コロナウイルス
資金繰り
新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少し、資金繰りが悪化した場合、早急に資金繰りを見直す必要があります。
資金繰りの見直しは、早期に収入を増やし、支出を減らすという点に尽きますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経営状況を踏まえると、直ちに売上をアップさせるのは現実的ではないので、まずは下の資金繰り表の色をつけた部分に手を入れることが先決です。
【図】資金繰り表
そして、新型コロナウイルス感染症に関して資金繰りが悪化した企業のために、国は各種施策を打ち出していますが、収入と支出に関する施策を概観したのが下の図です。
【図】収入・支出に関する国の施策
・収入に関する制度
返済が必要な融資では、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付や、民間金融機関の実質無利子・無担保融資があります。
返済が不要な給付金、助成金では、持続化給付金、雇用調整助成金などがあります。
・支出に関する制度
一方、支出に関する制度では、支払を猶予するものとして税金や厚生年金保険料等の猶予制度があり、減免するものとして固定資産税の減額制度があります。
また、借入金の返済猶予に関しては、中小企業再生支援協議会の新型コロナウイルス感染症特例リスケジュールがあり、借入金の返済猶予に関するサポートを受けることができます。
このような国の施策は是非とも活用したいところです。
融資を受ける、給付金・助成金をもらうなどして収入を増やし、税金や厚生年金保険料等の猶予・減額により支出を減らしましょう。
そして、国の施策ではありませんが、支出のうち大きな額を占める
・借入金の返済猶予
・賃料の減額・猶予
・休業等による給与の削減
なども早期に実行していくことになります。
ただし、この点は相手との協議交渉により実現することになりますから、専門家のサポートを受けるなどして早期に検討協議を開始していく必要があります。